予約したはずの会議室が他の予定で上書きされた?その原因と対処法
「Microsoft 365 の Outlook で12~15時の会議室を予約していたのに、11~13時で別の人に予約され、予定が上書きされてしまった」
このような経験はありませんか?
Microsoft 365 の会議室予約では、本来、重複予約はできない仕様です。
しかし、特定の設定や操作方法によっては、会議室が重複して予約されてしまうケースがあります。
本記事では、会議室の重複予約を防ぐための設定確認方法や、不要な予約を取り消す手順について、PowerShell を用いた具体的なコマンドとともに解説します。
■ 会議室の重複予約が発生する原因と設定の確認方法
Microsoft 365 のリソース(会議室など)は、デフォルトでは「重複予約できない」仕様です。
ただし、以下のケースでは重複予約が可能となる場合があります:
- 会議室の「AllowConflicts(重複許可)」設定が True になっている
- ユーザーが会議出席依頼ではなく、予定表へ直接登録した場合(※編集者以上の権限を持っている場合)
【事前準備】PowerShell で Exchange Online に接続
Microsoft 提供の手順を参考に、まず PowerShell を使って Exchange Online に接続してください:

【確認手順】AllowConflicts の状態を調べる
Get-CalendarProcessing -Identity “<リソースメールボックスのアドレス>” | select AllowConflicts
実行例:
Get-CalendarProcessing -Identity “Room@contoso.com” | select AllowConflicts
出力例:
AllowConflicts
————–
False
- True:重複予約が許可されています
- False:重複予約は拒否される設定です
もし False に設定されていても重複予約が発生する場合は、予定表に直接予約された可能性があります。
予定表への直接登録は非推奨であり、リソースの自動応答が動作しないために、意図しない重複が発生する可能性があります。
■ 不要な予約の削除と、アクセス権の確認・変更手順
直接予約された予定を削除するには
リソース予定表に対して編集権限(Editor)以上を持つユーザーであれば、直接登録された予約を削除できます。
【手順1】予定表のアクセス権限を確認する
PowerShell にて以下のコマンドを実行します:
Get-MailboxFolderPermission -Identity “<リソースメールボックスのメールアドレス>:\予定表”
実行例:
Get-MailboxFolderPermission -Identity “room01@contoso.com:\予定表”
出力例:
FolderName User AccessRights SharingPermissionFlags
———- —- ———— ———————-
予定表 既定 {AvailabilityOnly}
予定表 Anonymous {None}
【手順2】アクセス権限の追加または変更
既定ユーザーに編集権限を付与する:
Set-MailboxFolderPermission -Identity “room01@contoso.com:\予定表” -User “既定” -AccessRights Editor
特定ユーザーに権限を追加する:
Add-MailboxFolderPermission -Identity “room01@contoso.com:\予定表” -User “User01” -AccessRights Editor
これにより、編集者として予定の削除や調整が可能になります。
【参考リンク】



まとめ:会議室予約の重複を防ぐには
Microsoft 365 の会議室リソースは、適切な設定と運用を行えば、重複予約を防ぐことが可能です。
● 重要ポイントまとめ
- デフォルトでは重複予約は不可だが、「AllowConflicts」が True の場合は予約が重複する
- 予定表への直接予約は、重複防止機能が働かないため非推奨
- PowerShell で設定状況を確認し、「False」になっていることをチェック
- 不要な予約がある場合は、編集権限を付与し、削除を行う
「会議出席依頼メール」を使っての予約が、もっとも推奨される方法です。
会議室リソースの運用トラブルを防ぐためにも、ぜひこの手順をご確認・ご活用ください。
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