Office 起動時にエラーコード「80090016」が表示される
Microsoft Office を起動した際に、「80090016」というエラーコードが表示され、
アプリケーションの使用に支障が出ることがあります。
このエラーは、
Windows 環境で Azure AD Join (Entra ID 参加) を利用している際に発生する可能性があるもので、
正しい手順を踏むことで解消が見込まれます。
この記事では、3つの対処方法をご紹介します。
上から順に実行し、問題が解消されるかどうかをご確認ください。
■ 1. Azure AD Join (Entra ID)の設定を解除
この手順を行う前に、Office アプリからサインアウトしておきましょう。
【操作手順】
- [スタートメニュー] をクリックし、歯車マークの [設定] を開きます。
- [アカウント] を選択し、[職場または学校にアクセスする] をクリックします。
- 職場または学校アカウントに、ライセンス認証を行ったアカウント情報が表示されているかを確認します。
- 対象となるユーザー アカウントを選択し、[切断] をクリックします。
この操作により Azure AD Join の関連付けが解除され、エラーの原因が取り除かれる場合があります。

■ 2. レジストリ データの削除
この手順では、Office アカウント関連のレジストリ データを削除します。

※※ 注意事項 ※※
レジストリの編集は慎重に行ってください。誤った操作はシステムの安定性に影響を与える可能性があるため、事前にレジストリのバックアップを強く推奨します。
【事前準備】
Windows でレジストリをバックアップ・復元する方法:
Windows でレジストリをバックアップおよび復元する方法
【操作手順】
- レジストリ エディタを起動します。
- 画面左下の Windows のロゴを右クリックし、[ファイル名を指定して実行] を選択
- 「regedit.exe」と入力し、Enter キーを押してレジストリ エディタを起動
- [ユーザー アカウント制御] の画面が表示された場合は、[はい] をクリック
- 以下のレジストリ キーを確認し、該当データを削除します。
- Office 2016 バージョンをご利用の場合:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Common\Identity
この中の [Identities] 配下にあるデータをすべて削除します。
- 利用中の端末を再起動します。
この処理により、破損または不整合のある Office 関連のログイン情報がクリアされ、再構築されます。

■ 3. ブラウザーのキャッシュ クリア(Internet Explorer)
Office アプリのサインイン処理では、ブラウザーのキャッシュが影響する可能性があります。
特に Internet Explorer を使用している環境では、キャッシュ削除により改善する可能性があります。
【操作手順】
- Internet Explorer を起動します。
- 画面右上部の [歯車] アイコンをクリックし、[インターネット オプション] を選択します。
- [全般] タブ内にある [閲覧の履歴] セクションの [削除] ボタンをクリックします。
- 「閲覧の履歴の削除」ウィンドウが表示されたら、次のように設定します:
- [お気に入り Web サイトデータを保持する] のチェックを外す
- [インターネット一時ファイルおよび Web サイトのファイル]
- [クッキーと Web サイト データ]
- [閲覧の履歴] にチェックを入れる
- [削除] ボタンをクリックします。
- [OK] をクリックして閉じた後、一度すべてのブラウザーを終了します。
4.TMPのリセット
エラーコード : 80090016 は、デバイスが Microsoft Entra ID に登録されている場合に、
何らかの理由により
デバイス上の Trusted Platform Module (TPM) と呼ばれるハードウェアに問題が生じているために発生します。
TPM は Microsoft Entra ID にデバイスを登録した際に発行される
プライマリー リフレッシュ トークン (PRT) をデバイス側で保持するために利用されてます。
TPM に生じている問題に対処するには、
以下の方法を順次実行します。
1. TPM をリセットする
2. Microsoft Entra ID からデバイス登録を解除し再度デバイス登録する
また、再度 “80090016 エラー” が発生する場合は、
以下の TPM がリセットできない要因について2つ目の公開情報を確認し、
TPM のリセット、Microsoft Entra ID からデバイス登録の解除とデバイス登録をお試しください。
<公開情報>
TPM エラー 80090016 について | Japan Azure Identity Support Blog
まとめ:Office 起動時のエラー 80090016 に対処するには
このエラーは Azure AD Join 環境に特有のものであり、設定の見直しとキャッシュ削除により解決が見込まれます。
● 重要ポイントまとめ
- Office からサインアウト後に「Azure AD Join の切断」を行う
- レジストリの該当データを削除し、端末を再起動する
- Internet Explorer のキャッシュ削除も有効な手段
- 操作前にレジストリのバックアップを忘れずに
- TPMリセット
これらの手順を順番に実施しても改善されない場合は、組織の IT 管理者や Microsoft サポートへ相談することをおすすめします。
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