SharePoint Onlineで日本語ファイル名が検索結果に表示されない原因と対処法
日々の業務でSharePoint Onlineを活用していると、
「確かに存在するはずの日本語ファイルが検索結果に表示されない」
という現象に遭遇した経験はありませんか?
このような現象は、
特に日本語名のファイルに対して検索をかけた際に発生しやすいです。
一言一句違わずなのに…何故?
こんにちは!
実は、SharePoint内の設定より、
この問題は改善する可能性があります。
本記事では、
SharePoint Onlineで日本語ファイル名の検索精度が低下する原因と、
その対処法について、具体的な手順を交えて解説します。
すぐに実践できる設定変更から、
より高度なキーワード制御テクニックまで、
網羅的にご紹介しますので、
ぜひ最後までご覧ください。
なぜ日本語のファイル名が検索結果に表示されないのか?
SharePoint Onlineの検索機能は
「ワード ブレーカー(Word Breaker)」という仕組みで単語を分割して
インデックス化しています。
日本語のようにスペースで単語を区切らない言語では、
ワードブレーカーがうまく機能せず、
キーワード検索で期待通りの結果が得られないケースがあります。
対処法①:日本語インデックス作成を強制する設定
以下の手順により、
「サイトコレクション内の全単語に対して日本語インデックスの作成を強制」することで、
日本語ファイル名の検索精度が向上する可能性があります。
設定手順
- サイト管理者のアカウントで対象のSharePointサイトにアクセスします。
- 右上の [歯車アイコン] → [サイト情報] → [すべてのサイト設定を表示] をクリックします。(⇒すべてのサイト設定が表示される場合はクリックする)
※クラシックUIの場合は [歯車] → [サイトの設定] を選択します。
- [サイトコレクションの管理] セクション内の [検索スキーマ] をクリックします。
- 検索ボックスに
language
と入力し、Enter を押下します。 - 一覧から language を選択します(languages ではないことに注意)。(プロパティの編集を選択)
- ページ下部の [クロールされたプロパティへのマッピング] 項目の [マッピングの追加] をクリックします。
- 検索ボックスに
107
と入力し Enter を押下します。 - 表示された Internal:107 を選択して OK をクリックします。
Internal:107
がマッピングされたことを確認し、画面右下の [OK] をクリックします。

注意: この設定はサイトごとに実施が必要であり、
サイトの「既定の第一言語」が日本語でない場合、
逆に日本語検索の精度が下がる可能性があります。
対処法②:エンタープライズ キーワード列を利用する
日本語検索の精度を補完する方法として、
ファイルに「エンタープライズ キーワード(タグ)」を設定する手法があります。
これにより、指定キーワードでのヒット率を高めることが可能です。
設定手順
- 対象のライブラリ(ドキュメント)にアクセスします。
- 右上の [歯車アイコン] → [ライブラリの設定] → [その他のライブラリ設定] をクリックします。
- [エンタープライズ メタデータとキーワードの設定] をクリックし、[このリストにエンタープライズ キーワード列を追加] にチェックを入れて [OK] をクリックします。
- 列が追加されたら、対象ファイルの編集画面から任意のキーワードを設定します。
- 必要に応じて、表示設定より [エンタープライズ キーワード] 列をビューに表示させることも可能です。

対処法③:ワイルドカード検索や演算子を活用する
ユーザーの操作によっても検索精度を改善することができます。
以下のように、アスタリスクや演算子を使った検索をおすすめします。
アスタリスク「*」による前方一致検索の例
ファイル名:もちもちユーザー
を検索したい!
- も*
- もち*
- もちも*
- もちもち*
- もちもちユ*
- “もちもちユーザー“(完全一致)
AND/OR演算子の使用例
- Contoso AND Corporation(両方含む)
- Contoso OR Corporation(いずれかを含む)
※演算子は必ず大文字で入力してください。
まとめ:検索精度向上のためにできること
- サイトの「language」プロパティに対して「Internal:107」をマッピングする
- ライブラリに「エンタープライズ キーワード列」を追加してタグ検索を活用する
- ユーザー側の検索方法として、アスタリスクやAND/OR検索を推奨する
SharePoint Online における検索精度の課題は、
日本語特有の言語構造による部分も多く、
完全な自動対応は難しい場面もあります。
しかし、今回紹介したような設定や工夫を取り入れることで、
格段に業務効率を改善できる可能性があります。
検索結果の質にお困りの方は、ぜひ一度上記の設定を試してみてください。
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