Microsoft 365 Apps の更新プログラムを任意のタイミングで適用する方法
Microsoft 365 Apps(旧 Office 365 ProPlus)の更新プログラムは
通常、自動で Microsoft の CDN から配信されます。しかし、更新プログラムの参照先を社内サーバーに変更することで、
自動更新を停止し、管理者の任意のタイミングで更新を実行することが可能です。
本記事では、その手順と注意点をご案内します。
■ 方法1:Office 展開ツールを使用して更新パスを指定する
Office 展開ツール(Office Deployment Tool)を用いて、更新プログラムの参照先を指定することができます。以下の構成XMLの UpdatePath
属性に社内ファイルサーバーのパスを指定してください。
<Configuration>
<Add SourcePath="\\fileserver\OfficeUpdates" OfficeClientEdition="64">
<Product ID="O365ProPlusRetail">
<Language ID="ja-jp" />
</Product>
</Add>
<Updates Enabled="TRUE" UpdatePath="\\fileserver\OfficeUpdates" />
</Configuration>
この設定により、Microsoft 365 Apps はインターネット上の CDN ではなく、社内のファイルサーバーにある更新プログラムを参照します。更新用ファイルは管理者が事前に該当フォルダーに配置しておく必要があります。
詳細は以下の公式ドキュメントをご参照ください:


■ 方法2:レジストリ設定による更新パスの変更
レジストリを編集して、更新プログラムの確認先を社内サーバーに変更することも可能です。
▼ レジストリエディタの起動方法
- Windows 7: [スタート] → 「regedit」と入力 → Enter
- Windows 10 / 11: [Windowsキー + R] → 「regedit」と入力 → Enter

▼ 以下のキーを編集します
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Office\ClickToRun\Configuration
名前: UpdateUrl
種類: REG_SZ
値: \\fileserver\OfficeUpdates
また、グループポリシーによって指定する場合は以下のキーを使用します:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Office\16.0\Common\OfficeUpdate
名前: UpdatePath
種類: REG_SZ
値: \\fileserver\OfficeUpdates
ここでも、ファイルサーバーには指定したバージョンの Office 更新ファイルを予め配置しておく必要があります。
■ 更新プログラムの配置について
社内サーバーに配置する Office 更新ファイルは、Microsoft 公式ガイド に従い、事前にダウンロード・管理してください。
まとめ
Microsoft 365 Apps の更新プログラムは、更新パスを社内ファイルサーバーに設定することで、管理者の任意タイミングで適用することが可能です。Office 展開ツールやレジストリ編集、グループポリシーなど、環境に応じた方法で柔軟に管理できます。
一斉更新やテスト環境でのバージョン検証など、企業環境での Office 管理にぜひご活用ください。
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