【2025年版】Exchange Onlineと既存メールサーバーを同一ドメインで並行運用する方法 

Microsoft 365 情報 情シス向け トラブルシューティング Exchange
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企業でMicrosoft 365(Exchange Online)への移行を進める中で、「既存メールサーバーとExchange Onlineを同じ独自ドメインで並行運用できるか?」というご相談をよく受けます。 

本記事では、独自ドメインをExchange Onlineと他メールサーバーで並行運用する方法について、手順と注意点を詳しく解説します。 

  

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✅ 並行運用は可能?前提条件と考慮点 

結論から言うと、一部のメールアドレスのみをExchange Onlineに移行し、他は既存のメールサーバーで運用することは可能です。 

ただし、DNS設定やメールルーティング(メールフロー)など、正しい構成をしないとメールが届かないなどのトラブルに発展する可能性があります。 

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✅ 並行運用のためのステップ【全体概要】 

  

以下は、基本的な構成手順の概要です。

  1. Office 365 テナントに独自ドメインを追加 
  1. Exchange Online にユーザーアカウント(メールボックス)を作成 
  1. 必要に応じてメールデータを移行 
  1. ドメイン設定を「内部の中継」に変更 

それぞれ詳しく見ていきましょう。 

① 独自ドメインをExchange Onlineに追加する 

  

まずは Microsoft 365 管理センターで、対象の独自ドメインをテナントに追加します。 

  • 所有権の確認にはTXTレコードを使用 
  • MXレコードはまだ変更しないことがポイントです(変更すると既存メールサーバーでの受信ができなくなるため) 

公式手順:ドメインを追加する(Microsoft公式) 

 

② Exchange Online にユーザーアカウントを作成 

続いて、Exchange Online 上に移行対象ユーザーのメールボックスを作成します。 

  • ユーザー追加時に独自ドメインのメールアドレスを割り当て 
  • 必要に応じて既定のドメインを変更しておくと便利です 

ユーザー追加方法(Microsoft公式) 

既定ドメインの変更方法(FAQ) 

 

③ メールデータの移行(必要な場合) 

旧メールサーバーからExchange Onlineへのメールデータ移行は、以下の方法が検討できます: 

  • PSTファイルによる手動移行 
  • IMAP 移行 
  • ハイブリッド構成を使った段階的移行 

移行のベストプラクティス(Microsoft公式) 

  

④ 承認済みドメインを「内部の中継」に設定 

Exchange Online と既存メールサーバーで同じドメインを併用するには、Exchange Online側のドメインを「内部の中継ドメイン」として設定します。 

内部中継ドメインの仕組みとは? 

たとえば次のような構成を想定します: 

アドレス 所属サーバー 
AAA@contoso.com Exchange Online 
BBB@contoso.com Exchange Online 
CCC@contoso.com 既存メールサーバー(外部) 

この状態で、Exchange Online は「内部にないメールアドレス(CCCなど)」へも外部DNSを参照して適切に配送します。 

設定方法はこちら(Microsoft公式) 

 

✅ 内部中継ドメインに設定する手順(Exchange 管理センター) 

  1. Exchange 管理センター に管理者としてログイン 
  1. 左メニュー [メール フロー] → [承認済みドメイン] 
  1. 対象ドメインを開き、「内部の中継ドメイン」にチェック 
  1. 保存して完了 

補足:コネクタ設定による制御 

Exchange Online と既存メールサーバーの間でメールフローを制御したい場合は、コネクタの設定も有効です。 

コネクタの設定(公式ドキュメント) 

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✅ まとめ:一部だけ移行したい場合は内部中継の設定が鍵 

  

Exchange Online への完全移行が難しい場合でも、一部のユーザーのみをExchange Onlineへ移行し、既存メールサーバーと共存させることは可能です。 

  • MXレコードは変更せず 
  • ドメイン設定は「内部中継」 
  • メールフローとアカウント管理に注意 

これらのポイントを押さえることで、安全かつ段階的な移行が可能になります。 

  

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