はじめに
「会議室の用途変更により、予約を一時停止したいが削除はしたくない」
こんなお悩みを持つ企業や管理者の方は多いのではないでしょうか。
Microsoft 365(Exchange Online)では、
会議室リソースを削除せずに一時的に非表示・予約不可にする設定が可能です。
この記事では、以下の2つの設定方法を詳しく解説します:
- 会議室をアドレス帳に非表示にする方法
- 会議室の予約受付を停止する方法(PowerShell使用)
なぜ会議室を非表示・予約不可にしたいのか?
- 会議室を一時的に倉庫や作業スペースとして使用する
- 会議室の設備不良により、修理完了まで使用停止にしたい
- 会議室の改装・移転予定により、運用から外したい
このようなケースで、
会議室リソースを削除してしまうと過去の会議履歴や設定が失われるリスクがあります。
削除せず、一時的に利用停止状態にするのがベストプラクティスです。
【方法①】Exchange Onlineで会議室をアドレス帳に非表示にする
手順(Office365管理ポータルから実施)
- Office 365管理ポータルに管理者アカウントでログイン
- 左メニューから「Exchange管理センター」を開く
- 「リソース」セクションを選択

- 非表示にしたい会議室メールボックスをクリック
- [一般] を開く
- 「グローバル アドレス一覧 (GAL) から非表示にする」にチェックを入れる
- 「保存」ボタンをクリック

✅ この設定でできること
- Outlookのアドレス帳に会議室が表示されなくなる
- 誤ってユーザーが会議室を予約することを防げる
【方法②】PowerShellで会議室の予約受付を停止する
OutlookやTeamsなどからの会議出席依頼による予約そのものを停止したい場合は、
PowerShellでの設定が必要です。
手順
- Windows PowerShellを「管理者として実行」
- Exchange Onlineに接続
接続手順はこちらの公式ガイドを参照:
🔗 Exchange Online PowerShell に接続する

Exchange Online PowerShell に接続する
Exchange Online PowerShell V3 モジュールを使用して、先進認証または多要素認証 (MFA) を使用して Exchange Online PowerShell に接続する方法について説明します。
- 以下のコマンドを実行:
Set-CalendarProcessing -Identity “会議室のメールアドレス” -AutomateProcessing AutoAccept -AllBookInPolicy $False
設定確認用コマンド:
Get-CalendarProcessing -Identity “会議室の名前” | Format-List
✅ この設定でできること
- すべてのユーザーが会議室を予約できなくなる
- システム上は会議室リソースとして保持される
注意点
- 反映には数分のタイムラグがあるため、設定後しばらくしてから動作確認を行ってください。
- 非表示設定と予約不可設定は独立しています。両方の設定を併用することで完全に利用停止状態になります。
まとめ
目的 | 方法 | 必要な操作 |
アドレス帳に表示しない | Exchange管理センターから設定 | GUIで操作可能 |
予約不可にする | PowerShellコマンドで設定 | 管理者権限が必要 |
よくある質問(FAQ)
Q. 会議室を削除せずに一時的に停止するメリットは?
過去の予約履歴や設定が保持されるため、再開時に再設定が不要です。
Q. ユーザーにはどう見えるの?
非表示設定を行うと、OutlookやTeamsの予約画面に表示されなくなります。
予約不可設定を行うと、予約を試みても自動的に却下されます。
関連リンク

Exchange Online PowerShell に接続する
Exchange Online PowerShell V3 モジュールを使用して、先進認証または多要素認証 (MFA) を使用して Exchange Online PowerShell に接続する方法について説明します。
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